さすがに羽1枚というわけにはいきませんが、まさに鴆毒。
1mgはモウドクフキヤガエル1匹分の毒です。皮膚ににじみ出る液体を使えばいいので、モウドクヤドクガエルを使うほうが先住民にとっては簡単です。そのため鳥は重要視されてこなかった。それで羽に猛毒のある鳥がいるという話は現地からは浮かび上がってこなかったということでしょう。

同じく猛毒を持つトラフグはさばいた後の皮や内臓が厳しく管理の元におかれますが、バトラコトキシンはフグ毒テトロドトキシンの5倍の強さを持っています。
フグは好んで食べる餌によって毒を持つようになり、とりわけ産卵前のメスの毒は強くなることが知られています。孵化する稚魚が毒を持つことで捕食者に食べられにくくするためと考えられています。
中国伝説上の鴆も、毒のある蛇を食べることで猛毒を持つようになると言われていました。
これはあながち間違ってはいませんでした。
ズグロモリモズを解剖したところ、好んで食べる昆虫がバトラコトキシンを持っていることがわかったからです。ズグロモリモズ自体はバトラコトキシンに耐性を持つよう進化していました。
それでは、ズグロモリモズを飼育下で無毒の餌を与えて育てたらどうなるでしょうか。
そう、ご想像の通り、ズグロモリモズの羽は無毒になりました。食べたもので毒を持つようになっていたのです。
日本でも産学連携の研究で無毒のトラフグを養殖している水産会社があり、同様に餌が問題であるとしています。

フグ毒のテトロドトキシンには解毒剤がありません。しかし中国伝説の鴆毒は「サイの角が解毒剤になる」という伝説があります。