あくまでも伝説です。しかし猛毒を解毒してくれる薬。これは歴代皇帝や高級官僚たちは喉から手が出るほど欲しかったことでしょう。
伝説の中でも、皇帝の代わりに鴆毒と知って毒酒を飲んだ忠臣のために解毒剤を持ってこさせたが間に合わず死亡したという話があります。解毒剤は常に手元にあったのでしょう。でも、きっとそれを飲ませても効かなかったことでしょう。
ズグロモリモズが見つかったのはニューギニアです。しかし、古代、中国の南方にもズグロモリモズ、もしくは別の羽に猛毒を持つ鳥が棲息していたのかもしれません。
伝説通り、皇帝の命令で駆除されて現在は中国にはいないのかもしれませんし、鴆を駆除しようとした時に、餌となる猛毒の昆虫のほうがひっそりと絶滅したのかもしれません。
中国はとても広いので、人間の入り込めないようなどこかで、ひっそりと鴆が生き続けているかもしれないと考えるのはちょっと楽しいですね。

ニューギニア島でヤドクガエルと同型の神経毒を羽毛に持つ毒鳥を発見!
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参考文献
鴆鳥-実在から伝説へ(1994年)
https://square.umin.ac.jp/mayanagi/paper01/chincho.html
医薬品情報21 鴆(チン)の毒性
http://www.drugsinfo.jp/2007/12/05-174745
元論文
ニューギニアの鳥類よりバトラコトキシン類の有毒アルカロイド発見 : 鴆(ちん)毒も実在した?(1993年)
https://doi.org/10.14894/faruawpsj.29.10_1144
ライター
百田昌代: 女子美術大学芸術学部絵画科卒。日本画を専攻、伝統素材と現代素材の比較とミクストメディアの実践を行う。芸術以外の興味は科学的視点に基づいた食材・食品の考察、生物、地質、宇宙。日本食肉科学会、日本フードアナリスト協会、スパイスコーディネーター協会会員。