実際、fMRIを用いた研究では、虚偽記憶の想起時は真の記憶とは異なる神経活動パターンが観測されると報告されています。
偽記憶が示す私たちの脳の限界
ロフタス博士の研究は、記憶が固定されたものでなく、環境や情報によって変化するものであることを明確に示しました。
司法制度や心理療法において、この知見は慎重に扱われるべきものであり、証言やカウンセリングにおける記憶の信頼性を再考する必要があります。
「絶対あった!」と思う思い出の記憶であったとしても、それは安易に信用するべきではないかもしれません。
勘違いしたピカチュウの模様が広まる!偽りの情報が共有される「マンデラ効果」
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元論文
Reconstruction of automobile destruction: An example of the interaction between language and memory1
https://doi.org/10.1016/S0022-5371(74)80011-3
The formation of false memories.
https://psycnet.apa.org/doi/10.3928/0048-5713-19951201-07
A picture is worth a thousand lies: Using false photographs to create false childhood memories
https://doi.org/10.3758/BF03196318
ライター
相川 葵: 工学出身のライター。歴史やSF作品と絡めた科学の話が好き。イメージしやすい科学の解説をしていくことを目指す。
編集者
ナゾロジー 編集部