7. Written in Blood
1978年に出版された『Written in Blood』はハイチの政治的混乱に何年も巻き込まれたロバート・ハイヌルとナンシー・ハイヌルの作品である。

(画像=画像は「Amazon」より,『TOCANA』より 引用)
アメリカ海軍の軍属として1959年から1963年までハイチに住んでいた夫妻だったが、「ワシントンポスト」紙によると、妻のナンシーは「ブードゥー教の信仰に没頭するようになり」、ハイチの第40代大統領フランソワ・デュヴァリエもナンシーが神秘的な力を持つ巫女であると太鼓判を押していたという。
デュヴァリエ大統領はこの本が出版される7年前の1971年に亡くなっているのだが、大統領の未亡人であるシモーヌは、すでに原稿が完成していた同書のとある描写に腹を立て、この本にブードゥーの呪いをかけたといわれている。
呪いのせいなのか、同書の出版前の段階からトラブル続きで、原稿が紛失したり製本所の機械が誤作動を起こしたり、本の宣伝キャンペーンを担当した記者は急性の虫垂炎で入院したりもしたという。
夫のロバートは演説中にステージが倒れて負傷し、さらにその数日後、大使館住居の近くを歩いていた夫妻は犬に襲われた。そして出版後わずか数カ月後の1979年5月、夫妻がフランス領西インド諸島で休暇を過ごしていたとき、夫のロバートは心臓発作で急死したのである。