サミット4年目の邂逅——NIMBYからの変貌
中学生サミット2024では、主催者として嬉しい出来事があった。
中学生の頃大活躍していたサミットOGの上野和花さんが、メンター/ファシリテーターとして復帰したことである。上野さんは現在大学2年生なので、約6年を経ての復帰ということになる。
上野さんが最初にサミットに参加した中学2年生の頃、上野さんおよび一緒に来ていた同級生5人は総じてNIMBYだった。
『私たち京都市の真ん中やし、この問題は関係あらへんよなあ。第一、京都市はどこ掘ってもすぐに遺跡が出てくるから、地下深く穴掘ることもでけへん・・・』
まことにごもっともである。この時、まあ想像に難くないのは引率の先生のお誘いなどに応じてやってきたものの『なんで私らがこの問題にそもそもそんなに取り組まなイカンのぉ!?』ということだったのではないか。
上野さんが〝大活躍〟するのはこのあとである。ここからは想像の域を出ないのだが、サミットの場ではNIMBYを貫いたように見えたが、多分その場から〝なにかを〟持ち帰ったのであろう。おそらくモヤモヤの種が巻かれたのではないだろうか。
サミットから京都の中学校の日常に戻って数ヶ月経過するうちに上野さんのなかでも何かが育って、上野さん自身が変貌していったようである。担当の先生から伝え聞こえてきたことは、上野さんのお母さんが心配している・・・ということだった。
お母さんによれば、「ついこの間まで、学校から帰ればYouTubeばっかり見ていたんですよ。それが、最近は原子力や高レベル放射性なんたらのことをやたら調べていて、私や父親そして妹にあれこれ問いかけをしてくるんですよ」——— まあ、ある意味何かに目的意識を持って関心をもち自分で積極的に調べたりするのはとても良いことだと思うのですが、あまりの変貌ぶりに一体何が起こったのか、一体何をしたのですか?というような不可解と心配だったようだ。