谷畑さんは、湖南市長のとき、福岡県行橋市の小坪慎也市議が外国人による国保生保年金の不正受給問題に気がついて問題提起してから協力して、厚生省令改正の不備の指摘、2014年の海外療養費制度の厳格化、出産一時金の不正利用の強制停止までなどを実現する原動力になった方である。
また、新型コロナの水際対策は谷畑さんと小坪議員、無年金問題は小坪議員と稲田朋美代議士と谷畑さんと吉田本庄市長、入管法改正と特定技能の警鐘と政府方針への反映は谷畑さんが努力したと谷畑さんから聞いたことを添えた上で、以下の谷畑元市長のコメントを紹介する。より精緻な議論のきかっけになれば幸いだ。
谷畑英吾元湖南市長からのコメント
こんばんは、八幡先生。玉木雄一郎代表の議論は実は周回遅れです。まずは90日と言っていますが正確には90日を超えてなので3ヶ月ではなく4ヶ月なのです。その点すら知らずに議論をしているのはどうかなと思います。多くの制度的不備はこれまでも修正が重ねられてきています。
まずは麻生政権の宿題として、外国人登録を住民基本台帳に統合した際に、あわせて国保の支給要件を1年以上の滞在ビザから90日を超えて滞在する外国人へと厚生労働「省令」改正をしたのは民主党政権下でした。小宮山洋子厚生労働大臣の決裁だけで変更されています。しかも再入国手続の申請期間が5年間へと延長され、本国に戻ってから施された治療費も自治体国保にツケ回される危険性すらありました。そのとき玉木代表は民主党代議士として政権側にいながら、しかも財務省出身であるにもかかわらず何の指摘もしていません。おそらく基礎自治体の特別会計のことだくらいにしか思っていなかったのではないでしょうか。その点、基礎自治体は国保財政上の不安に苛まれました。
その後、2014年に海外療養費制度における女性タレントの外国籍父による不正請求事件から、会計検査院検査でほとんどの自治体が書類を整備していないことが発覚しました。実際に外国人が外国で高額療養費を使った事件を反省し、制度的対応としては厚労省課長通知や国保担当マニュアルで厳格化されることになりました。ただし、あくまでも弥縫策ですので、経営・管理ビザ、就労ビザを用いた医療ツアーの可能性は残っています(医療ツーリズムとは別の)。これは制度上合法ですが、大量に利用されると基礎自治体の小さな国保財政を直撃することになります。