元々は、1986年から2014年まで静岡第一テレビで放送された『KICK OFF』をヒントに、静岡出身の野々村芳和チェアマンが復活させた形。それぞれが別内容の番組であり、関東ではTBSで放送されているが、地方では系列に関係なく独自の番組制作がなされている。「キー局」という概念すら超えて、系列を跨いだ斬新なネット番組といえる。

関東ローカルの『KICK OFF!J』は17クラブ、関西ローカルの『KICK OFF!KANSAI』は6クラブの試合を扱う必要があるため、30分という枠の中やや駆け足気味になるが、地方クラブにとっては15分番組とはいえ、サポーターやライトファンも含め、貴重な情報源となっている。

『KICK OFF!J』以外はJリーグ公式YouTubeでの配信により、出身地から離れた都市で暮らすファンも見られる仕組みを取られており、日本全国に広がった60にも及ぶJクラブ(加えてJFLのいわてグルージャ盛岡、北信越リーグの福井ユナイテッドFC)のPRに貢献。“全国47都道府県ネット”となったことで、まずは野々村チェアマンの目論見通りの効果を示しているといえるだろう。


サッカーボール 写真:Getty Images

『サタデーナイトJ』(テレビ東京系)

Jリーグ発足以前からサッカー中継に力を入れていたテレビ東京。特に1968年に放送が開始され、ワールドカップやプレミアリーグ創設前のイングランドリーグ、ドイツのブンデスリーガを放送していた『三菱ダイヤモンドサッカー』は伝説となっている。また、1992年から1994年までは、欧州主要リーグや欧州選手権などを録画中継した『ダイナミックサッカー』も放送されていた。

1993年にJリーグ情報番組として復活した『ダイヤモンドサッカー』だが、2年後にはJリーグから海外サッカーに舵を切ったものの、わずか3年で終了。その後、サッカー報道とは一線を画していたが、2023年、Jリーグのハイライト番組としてスタートしたのが『サタデーナイトJ』だ。