が、それを自覚して韜光養晦(才能を隠して、内に力を蓄える)に徹し、経済に資本主義を取り入れて発展させた非凡な鄧小平の果実を、単に収穫しただけの習近平が故事を忘れて「武力統一」を唱えたところに、習の凡庸さが現れている。
76年になろうとする米国の「一つの中国」政策、そして半世紀を超える「米中国交」が、何れも「両岸問題の平和的手段による解決」を前提としている以上、これを脅かす「ボイコットや経済封鎖」でさえも、脱退や廃止が大好きなトランプをして「一つの中国」政策と「3つの共同声明」を棄てさせる口実になると、習近平は知るべきである。
そんな折、『ロイター』が17日、「台湾、自衛の決意目指す」との見出しで、米国から70億~100億ドル(1兆5百億~1兆5千億円)相当の武器購入を検討していると報じた。台湾国防部はノーコメントだが、『聯合報』は見出しに「台湾はトランプ大統領の支持獲得を目指して」と加えて転載している。この方が台湾らしい。