「ズナーミャ2.5」次なる挑戦と失敗

 シロミャトニコフは、より実用的な光を確保するために、直径25メートルの「ズナーミャ2.5」を開発。これにより、直径8キロメートルの範囲を10倍明るい光で照らすことを目指した。さらに、光の位置を制御し、一定時間特定の地域に光を当てる計画も盛り込まれた。ターゲットにはヨーロッパや北米の都市が選ばれた。

 しかし、この計画には懸念もあった。天文学者は「夜空の観測に支障をきたす」と抗議し、環境保護団体は「動植物の生態系に影響を与える可能性がある」と警鐘を鳴らした。

 1999年2月、ズナーミャ2.5はプログレス宇宙船により打ち上げられたが、鏡の展開時に誤作動が発生。アンテナが絡まり、反射フィルムが破損してしまった。試みは失敗に終わり、ズナーミャ2.5は制御不能のまま大気圏に突入し、太平洋上で燃え尽きた。

宇宙に”巨大な鏡”を打ち上げ、シベリアの冬を照らそうとした実験「ズナーミャ計画」の挑戦と挫折
(画像=ズナーミャ2 By , CC BY 4.0, Link,『TOCANA』より 引用)