宇宙技術と鏡の融合
ウラジーミル・シロミャトニコフは、1961年にユーリ・ガガーリンを宇宙へ送り出したヴォストーク・ロケットの開発に関わり、さらにアポロ・ソユーズ計画(1975年)で使用されたドッキングシステム「APAS」を設計した著名な宇宙工学者である。彼は1980年代に太陽帆の研究を行っていたが、経済的な理由で進展しなかった。そこで彼は、この技術を転用し、宇宙空間に巨大な鏡を展開して地上を照らすアイデアを発案した。
この技術を使えば、極夜が続く北極圏の地域に人工的な昼光を提供できる。光を確保することで、エネルギー消費の削減、農業生産の向上、さらには人々の生活の質の向上が期待された。このプロジェクトには、ロスコスモス(ロシア宇宙庁)が協力した。