「ズナーミャ2」最初の試み
ズナーミャ計画の最初の試作品「ズナーミャ1」は地上試験にとどまったが、本格的な実験機「ズナーミャ2」は1992年10月27日にプログレスM-15宇宙船で打ち上げられ、ミール宇宙ステーションに送られた。1993年2月4日、ミールのクルーは、太陽光を反射する特殊な薄膜を搭載した直径20メートルの巨大な鏡を宇宙空間で展開した。
展開された鏡は、月の光に匹敵する光を反射し、地球の表面に直径5キロメートルの光の輪を作り出した。この光のスポットは秒速8キロメートルで移動し、フランスからロシアまでの広範囲を横断した。一部地域では雲により観測が難しかったが、地上の住民の中には、夜空に閃光を確認したという証言もあった。しかし、実験は数時間で終了し、ズナーミャ2の鏡は大気圏に再突入、カナダ上空で燃え尽きた。
この実験により、宇宙鏡が技術的に可能であることは証明されたが、光が広がりすぎて実用的な照明にはならないという課題も浮き彫りになった。