一方、近年は一般会計の赤字とは別に特別債発行の規模が拡大しており、それらを合わせて広義財政赤字と見なす場合、広義財政赤字は徐々に拡大している。

もっとも特別債が財政赤字から除かれているのはプロジェクトの採算から返済するという建前からであり、現実には回収できるわけがないのだが、その上で習近平政権は後から人を建前で吊るし上げる習性があることが分かっているので、回収を考えずに燃やせる中央政府の財政赤字ほどの刺激効果はない。

実際、DBが発見したように2023年、2024年の広義財政赤字拡大はほとんど乗数効果を持たなかった。乗数効果が2025年には急回復するとDBは言っているが根拠は疑わしい。

全人代が素直に昨年の予告通りに財政赤字目標を上方修正すれば合格となるが、再びGDP比3%に据え置いて特別債やら何やらで誤魔化すなら再び経済運営の誠意を疑われるだろう。

 

中国株は財政期待で国慶節に滑稽な乱高下 : 炭鉱のカナリア、炭鉱の龍 みずほリサーチ&テクノロジーズ : 中国は「バズーカ」を放ったのか ─ 習近平政権による直近の経済対策を評価する ─ みずほリサーチ&テクノロジーズ : Mizuho RT EXPRESS 中国は景気下支えを一段と強化へ

 

編集部より:この記事は、個人投資家Shen氏のブログ「炭鉱のカナリア、炭鉱の龍」2025年2月11日の記事を転載させていただきました。