(※利己的に考えるならば、他者を根絶やしにするよりも、他者を利用したほうがいいことに気付いた……とも言えます)
違いを認識し闘争を引き起こす本能と、違いから利益を得る知恵。
それらは、まるでコインの裏表のように、私たちの中に同居しています。
必然として備わっているこの本能を変えることはできなくとも、その反応や活かし方を変えることは可能です。
この先も、私たちの社会はさまざまな価値観や国籍、文化が入り交じり、かつてないほどの多様性を迎えるでしょう。
闘争か共存か、最終的にどちらを選ぶのかは、その時々の経済・政治・社会情勢の影響も受けつつ、やはり私たちの意志にかかっているのです。
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元論文
The neural substrates of in-group bias: A functional magnetic resonance imaging investigation.
https://doi.org/10.1111/j.1467-9280.2008.02214.x
Intergroup schadenfreude: Motivating participation in collective violence.
https://doi.org/10.1016/j.cobeha.2014.12.007
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部