9月ごろとりあえず書き上げた原稿を、10月半ばに初校ゲラを出してもらって、それを色んな人に読んで貰って意見を受け止めて、年末までに二回ゲラを出してもらって、それで「見違えるほど良くなった!完璧だろ?」と思ってたところにさらに欲が出てきて、年明けてからもすごい真っ赤に赤入れさせてもらって、さらに校了直前にも「あと五箇所変更させてください!」とか入れ込んだりしてw
それぐらい今回は本当に「やりきれた」感が個人的にはあるんですが、それは「オールドメディア的良識」でリードしてくれたおかげだなと思ってます。
普通はここまで「時間をかけて良いものにしましょう」みたいな牧歌的な気分ごと吹き飛んでしまっている事も多いような。
「自分が出したナマの意見」に対して、「いきなり逃げ場のない対立関係としての”敵”の反論」が帰って来るんじゃなくて、「こういう立場から見るとこの表現はどうなのか」みたいなやんわりしたインプットが沢山あると、「なるほど、確かにそうだな。じゃあもっとフェアな立ち位置としてこういう論旨にしていけばいいのでは」という感じでブラッシュアップしていくことができた。
今までの本は自分の方の力量が足りてなかったこともあって、「10月に出た初校ゲラ」ぐらいのクオリティで世の中に出しちゃってたかもしれないな、というように感じました。
2. 「すりあわせ」型言論が持つ意味はやはりある
つまり、「オールドメディア的良識」があるメリットは、なんか「右の言ってる事も左の言ってることも両方まあまあわかるよねえ」みたいな”気分”があることで、「不倶戴天の敵」になる前の「敵側の言い分」に触れる機会があることなんですよね。
先鋭化した意見が仲間内だけで巨大になってから、「逆側の敵」にぶつかって「決して譲れない戦い」になるんじゃなくて、元々の時点で「世に出る」前にある程度敵側ともすり合わせをして、「なんとなく最大公約数的に共有できる」ものが世に出てくることになる。