昔は、「性加害みたいなことをするのは、”悪の保守派側”の人間であり、高潔なリベラル人士は決してそんなことはしない」みたいな風潮があったんで、女性問題が一個あるとそれがすぐ「代理戦争」化して、保守派側が「女たたき」をせざるを得ない情勢になっちゃってたわけですよね。

伊藤詩織さんの事件の頃は、あまりにその「代理戦争化」が激しすぎて、女性への性加害問題だけをクリアーに扱うことが不可能な情勢だった。

でもそういう「代理戦争」化が収まってきて、園子温氏とかのように「SEALDsとかに入れあげるタイプの左翼の人だって性加害するよね」というのが当たり前な情勢になった事で、溜まってたフジテレビの反感もあって「保守派側」も性加害告発みたいな事を嬉々としてやる流れになっている。

つまり「政治的党派争い」と、「女性への性加害問題」がデカップリング(分離)してきているからこそ、社会全体でそういう課題に協力して改善をしていきましょうという流れが結実してきているのだと言えるでしょう。

で、これは、オールドメディアの役割自体が変わってきて、

「より新しいこれからのオールドメディアの役割」が見えてきているからこそ起きている変化

・・・・なのではないかと個人的には考えています。

さっきも書いたように、あまりにネットメディアが「右も左も党派的に煽りまくる」方向で先鋭化することで、逆に「オールドメディア型の良識」が何らかの形でそれを補正してくれる事を求める潜在的ニーズが出てきているように思うんですね。

「なんとなくとりあえず政府と自民党が悪いってことにしてナアナアに共通了解を作る」みたいな今までのオールドメディアの態度に限界が来て、その欺瞞をネットメディアが右と左に引き裂こうと全力を尽くして突き上げる情勢になった事で、「このままじゃダメだよね」という危機感が新しい機運を作りつつある。

その「ネットメディアの存在感とむしろ”補い合う”形で、新しい共通了解を作るという役割」が「新しいオールドメディアの役割」として見えてきている。