2024/7/9の太陽光発電日量が、5,682万KWhですから、2024年時点の約10倍の太陽電池パネルが必要という計算になります。2024年時点でも、阿蘇の山々は太陽電池パネルで覆い尽くされているのに、さらに10倍のパネルをどこに敷きつめるのでしょうか?
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図2 中国電力エリア電源別発電量および需要実績(2022年9月18日)
次に、必要な蓄電池の容量を見てみましょう。①に2024/9/18のような状態を3日間電力を供給するためには、49,229万KWhの蓄電池容量が必要と計算しました。関西電力が紀の川蓄電所に設置した蓄電池の容量が日本最大規模だそうですが、11.3万KWhで敷地面積は約8,000㎡です。単純計算ですが
・49,229万KWh ÷ 11.3万KWh = 4,356倍
図3に関西電力管内に設置された紀の川蓄電所の写真を示します。九州エリアだけで、この施設を4,356個所建設しなければ、100%再エネで電力を供給することができない計算です。
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図3 関西電力 ORIX共同設置 紀の川蓄電所 全景と蓄電池コンテナ リチウムイオン電池を使用している。
ここまでの計算は、3日間曇りの日が続いた場合でも、再エネのみで電気を供給するために必要な蓄電池容量の計算ですが、それだけでは不足です。今度は年間で、再エネのみで電気を供給する場合の必要な蓄電池の量をマントン氏の論文と2023年度の九州電力の実績データをもとに計算してみます。
日量だけで計算していますが、太陽光発電で余剰が出た電力量を蓄電、不足した分を放電させます。図4の上が日々の蓄電量と放電量を棒グラフで表しました。
下は上の充放電のグラフの積算データです。もちろん今の太陽光発電では、全然足りません。太陽光発電の量を、N倍して、下の積算グラフがマイナスにならないように調整します。N=5でギリギリマイナスになりませんでした。これで、1年間不足なく供給できる。という計算になります(もちろん今は抑制してる発電量も全部、蓄電する条件で計算しています)。