・3日間曇りに供給するためのコスト 49,229万KWh × 70,000 = 34兆4600億円

・1年間供給するためのコスト 768,358万KWh × 70,000 = 537兆8506億円

日本のGDPが、2024年第2四半期が、607兆5064億円ですから、1年間供給するために必要な蓄電池容量は、768,358万KWh。そのためのコストは、ほぼ日本のGDPに相当する、537兆8506億円になります。繰り返しになりますが、九州電力管内だけでですよ。

5. リチウムイオン電池は危険すぎる

蓄電池を2階建て3階建てにして高密度に実装すれば1/3になるのでは?という意見があるかもしれません。しかし、蓄電所はリチウムイオン電池でできています。リチウムイオン電池は非常に効率よく電気を蓄えることができますが、引火、爆発しやすい材質です。またコバルトやニッケル、マンガンなど、土壌や水を汚染する材料が多く使われているため、自然界に流れ出てしまうと、環境汚染に直結します。

実際、北カリフォルニアのモスランディングにあるバッテリー貯蔵施設で、2025年1月16日に蓄電池施設で火災が発生し、施設の周辺3,000万㎡の範囲で避難が行われました。日本では蓄電池施設の火災はまだ発生していませんが、それはまだ施設ができてから時間が経ってないからであって、太陽光発電の施設で爆発火災が発生することは、時々あります。

・大規模太陽光発電施設での事故事例(2024年)

この火災については、「太陽光パネルは光があたっている間は、発電を止めることができなくて、消火活動ができなかった」という点がクローズアップされてますが、私はリチウムイオン電池を設置していたことも、大きな問題だと思います。

大手電力の発変電所やDocomoなどの携帯電話の基地局にもバックアップ用の蓄電池が設置してありますが、これらはリチウムイオンは使いません。昔ながらの鉛蓄電池(MSE型)を使っています。これはリチウムイオンに比べて場所はとるし、容量あたりの価格も高いです。しかし、安全性には変えられません。太陽光発電の会社は、そんな余裕はありません、価格最優先の結果です。