何も全ての審判員の年収を1,000万円以上にせよとまでは言わない。しかしJリーグがプロの興行である以上、選手はもちろん、審判員もプロであることが求められているのではないだろうか。
せめて、審判員だけで食べていけるだけの報酬を設定さえすれば、審判員を志す若者が増え、そこに競争が生まれ、自ずとジャッジの質も上がっていくのではないだろうか。また、前述の御厨氏のように引退した選手のセカンドキャリアとして審判員を目指すケースも増えていく可能性もあるだろう。
現状、日本の審判員は、基本的なスキル、判定基準、一貫性といった面で、アジアトップクラスとの評価を受けている。しかし、他のアジア諸国が急激にレベルアップしているのも事実だ。
だからこそ、若い審判員がJリーグ、あるいは国際試合の経験を数多く踏むことによってレベルアップすれば、必ずや日本サッカーの発展に繋がるだろう。審判員の待遇改善は、その入り口となり得るに違いないと思えるのだ。