まず、彼女達は現代日本の労働力市場の中で、自分たちがいかに恵まれた少数者であるかよく知っています。ほんの少し運が悪ければ、自分たちもまた専業主婦か非正規雇用しか働き口のない主婦になっていたこともわかっているでしょう。
そして、「自分は決してこの恵まれた地位に安住しているわけではない」ことを示そうとして、専業主婦やパートで働いている主婦とほぼ同じような時間を家事に費やしているのではないでしょうか。
つまり、結婚し子育てをしながら正規雇用の仕事もこなしている女性が圧倒的な少数派というわけではなくなれば、彼女達もそこまで無理をして家事にも時間をかけることはなくなるだろうと思うのです。
以上の理由で、私は雇用条件、就労環境の男女平等化が日本経済の高度成長を回復するために、もっとも強力で長期にわたる累積効果の大きな政策だと思います。
増田先生の新刊 『アメリカ消滅』が好評発売中です。ぜひご覧ください。
「妹の力」を解放せよ! そうすれば高度経済成長は回復できる 奴隷制と人身売買の歴史 エリート政治の次に来たのは、モブ(暴徒)支配 『米国株崩壊前夜』その後 一足先に20世紀末をやり過ごした日本
編集部より:この記事は増田悦佐氏のブログ「読みたいから書き、書きたいから調べるーー増田悦佐の珍事・奇書探訪」2025年1月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「読みたいから書き、書きたいから調べるーー増田悦佐の珍事・奇書探訪」をご覧ください。