現在、日本代表DF板倉滉(ボルシアMG)、日本代表DF町田浩樹(ユニオン・サン=ジロワーズ)、元U-20日本代表MF藤本寛也(ジル・ヴィセンテ)などが契約しており、特にアンダー年代の有望選手の間で急拡大。数年後には日本で一大勢力になると見られている。

同社は指導者やクラブの強化担当への接待を禁止し、その細かいコンプライアンス意識が選手や保護者から信頼を得る要因になっている。コンプライアンスへのこだわりは、「CAA Base」の親会社「CAA」が、ウィル・スミス、ブラッド・ピット、ジョージ・クルーニーら多くの映画俳優を抱えるハリウッド最大手の芸能事務所だったことも関係していると思われる。

一方で、契約に関してはシビアで、欧州移籍できそうな優秀な選手としか契約しない。よって、選手の将来性の見極めが鍵となる。その目利きを代理人だけに頼ることはせずに、本社にスカウトやアナリストなど専門家が常駐し、彼らが映像やデータを見て厳しく査定している。契約選手が他の好選手を紹介したとしても、契約に至らないケースも多いようだ。


田中碧 写真:Getty Images

代理人を選択する日本代表選手たち

しかし、そんな「CAA Base」にも弱点が存在する。ドイツ市場に弱く、かつてブンデスリーガにおいて数多くの日本人選手を手掛けていた敏腕代理人トーマス・クロート氏のようなコネクションを築けていないようだ。

ドイツ2部のフォルトゥナ・デュッセルドルフから移籍を希望していた日本代表MF田中碧は、なかなか進まない移籍交渉にしびれを切らし、代理人を「CAA Base」から「Sports360」に変更。それが奏功し、2024/25シーズンからイングランド2部(EFLチャンピオンシップ)のリーズ・ユナイテッドに移籍した。2部ながらも念願の英国上陸を果たし、チームの3季ぶりのプレミアリーグ復帰へ向け、首位快走の原動力となっている。