なお当のブラウン議員は昨年11月の議会選挙でオハイオ州選出の上院議員への4選を目指したが、共和党の対抗馬に敗れた。しかし日鉄の買収計画への反対は同じオハイオ州選出の上下両院議員団や上院の銀行委員会の同志議員らによって引き継がれている。
以上は今、日米関係を揺さぶる日鉄のUSスチール買収計画に関して、日本側のメディアにはほとんど表面に出ない水面下の大きな要因なのである。
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古森 義久(Komori Yoshihisa) 1963年、慶應義塾大学卒業後、毎日新聞入社。1972年から南ベトナムのサイゴン特派員。1975年、サイゴン支局長。1976年、ワシントン特派員。1987年、毎日新聞を退社し、産経新聞に入社。ロンドン支局長、ワシントン支局長、中国総局長、ワシントン駐在編集特別委員兼論説委員などを歴任。現在、JFSS顧問。産経新聞ワシントン駐在客員特派員。麗澤大学特別教授。著書に『新型コロナウイルスが世界を滅ぼす』『米中激突と日本の針路』ほか多数。
編集部より:この記事は一般社団法人 日本戦略研究フォーラム 2025年1月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は 日本戦略研究フォーラム公式サイトをご覧ください。