で、なんで炭素の同位体からプロトタキシーテスが菌類であるとわかったのか?
そもそも植物は私たちヒトや動物のように一人一人がまったく異なる食事をするのではなく、どれもが一様に空気中の二酸化炭素を吸って光合成をしながら生きています。
そのため、同じ時期の同じような環境に生息していれば、植物内に蓄積している炭素12と炭素13の比率が同じくらいになるのです。
しかしヒトや動物、菌類のように個々に色んな食べ物(有機物)を摂取して分解する生き物は、たとえ同じ種だったとしても、何をどれくらい食べたかによって、体内の炭素の同位体比が異なるのです。
わかりやすいイメージを挙げるなら、野菜や果物しか食べないベジタリアンと、動物や魚の肉しか食べない肉食主義者では、体内の炭素同位体比が違うわけです。
こちらはプロタキシーテスの復元画像になります。
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このように、光合成によって自ら栄養素を作れる植物を「独立栄養生物」といい、植物や動物など他の生物を食べることで栄養を得るものを「従属栄養生物」といいます。
そしてプロトタキシーテスのさまざまな化石を調べた結果、個々に炭素の同位体比がバラバラであり、彼らがヒトや動物と同じ従属栄養生物であることが明らかになったのです。
これに彼らが菌糸を持っていることを踏まえ、「プロトタキシーテスは巨大な菌類と見て間違いないだろう」との結論が出たのです。
ではプロトタキシーテスが菌類だとして、どうしてここまで巨大化できたのでしょう?
また彼らはデボン紀末の約3億6000万年前に姿を消していますが、なぜ絶滅してしまったのでしょうか?