特に「加齢でDNAメチル化が低下する=悪影響ばかり」という単純なイメージに対し、特定のエンハンサーでの脱メチル化がむしろ有利に働く場合もある、という点は重要です。

この新たな発見は、今後のがん予防や抗がん剤の開発において重要な役割を果たすでしょう。

たとえば、「若い世代で早期のがん芽を摘む戦略」 と 「高齢者での幹細胞性低下を加味した治療・ケアの最適化」 は、今後ますます注目されるはずです。

「がん細胞だけを狙うかたちで鉄不足を引き起こす」薬などを開発できれば、効果的ながん治療が実現するかもしれません。

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元論文

Ageing limits stemness and tumorigenesis by reprogramming iron homeostasis
https://doi.org/10.1038/s41586-024-08285-0

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部