昨2024シーズンまでFC琉球を率いた金鍾成前監督は、北朝鮮代表としてプレーしていたが当時のハンス・オフト日本代表監督(1992-1993)の目に留まったことで、ジュビロ磐田でプロデビューしたJ初の北朝鮮国籍選手だった。「とにかく攻撃!」のサッカースタイルの指揮官だったが、結果が伴わずに昨季限りで退任となった。

後任として選ばれたのは、浦和レッズ一筋18年の現役生活を送り、引退後は浦和のトップチームやユースのコーチや監督を歴任していた平川忠亮監督だ。2023シーズンからJ3でも苦戦を強いられている琉球の立て直しを託された格好だ。オファーした琉球にとっても、そのオファーを受けた平川監督にとっても勇気の要る決断だっただろう。

日本を代表するサッカーどころの静岡で生まれ育ち、J随一のクラブ規模とサポーターを持つ浦和で現役生活を全うした平川監督にとっては、全てにおいて新たな発見があると思われる。当然ながら琉球は浦和のような補強など望むべくもない。強化担当はJ1で出番を失っている若手にターゲットを絞って、レンタル移籍によって補強を図った印象だ。

現役時代からサッカーIQの高さとポリバレントさが売りだった平川監督。いずれは浦和を率いることになるのだろうが、まずは沖縄の地でJ3に旋風を巻き起こしたいところだ。