鹿児島をJ2に導いた際にも、前評判は芳しくなかった中での昇格劇だった。岐阜で再び結果を出せば「新・昇格請負人」の称号を得られるだろう。大島新監督の手腕に注目だ。
高知ユナイテッド:秋田豊監督
期待度:★☆☆☆☆
2016年に創立され、四国リーグを4年、JFLを5年で駆け抜け、ついに悲願のJ入りを果たした高知ユナイテッド。2022シーズンから3季にわたって指揮を執り、昇格に導いた吉本岳史前監督(現アルビレックス新潟コーチ)を勇退させ、秋田豊新監督を迎えた新体制で挑む選択をした。
秋田監督は、2024シーズンまで岩手グルージャ盛岡のオーナー兼社長を務め、ファンサービスも買って出る“名物社長”としてサポーターには人気だった。
しかし、指揮官としての実績となると、その手腕には疑問が残る。2010シーズン途中に監督に就任した京都サンガでは、就任後2勝3分14敗という散々な成績で、チームはJ2に降格。1年半契約だったにも関わらず、わずか半年で解任された。
次に監督を務めたのは2013シーズン、当時JFLの町田ゼルビアでも半年と持たずに解任。捲土重来を期して挑んだ盛岡では2021シーズン、J3で2位となりJ2昇格を果たすが、翌2022シーズンのJ2ではぶっちぎりの最下位で降格してしまう。これを機に監督業から離れ、オーナー兼社長業に転じた経緯がある。
実業家としての顔(株式会社サンクト・ジャパン社長)も持つため、盛岡を後にしサッカー界から離れたのかと思いきや、J初参入クラブの監督というオファーが魅力的に感じたのか、再び監督業に身を投じる決意をしたようだ。
盛岡時代の右腕だった神野卓哉氏をヘッドコーチに迎えたものの、戦力的には不足しており、高知はJ3残留が現実的な目標となるだろう。歯車が狂えば、JFL降格、あるいは今度は追われる側の立場での入れ替え戦出場もあり得る。