2014年オフに引退し、最後の所属クラブとなったロアッソ熊本で、翌2015年から指導者キャリアをスタート。昨季まで大木武監督の下で4年間ヘッドコーチを務めていた。
強化部長には、大分トリニータで14年もの間陰で支え続けた西山哲平氏を迎え、新体制で再スタートを図る長野。MF藤川虎太朗をジュビロ磐田から獲得するなど8選手の新加入選手を迎え、巻き返しに期待をさせる陣容を整えた。
“大木チルドレン”の藤本監督だが、リスク覚悟の攻撃サッカーを目の当たりにしてきただけに、その長所も弱点も知り尽くしているはず。そこに現役時代はクリエイティブなゲームメーカーだった藤本監督なりのエッセンスが加われば、本人曰く「ハラハラドキドキ」するようなチームが出来上がるのではないだろうか。
松本山雅:早川知伸監督
期待度:★★☆☆☆
昨2024シーズンのJ2昇格プレーオフ決勝、カターレ富山戦で後半アディショナルタイムに同点ゴールを喫し、レギュレーションで昇格を逃した松本山雅。指揮2年目の霜田正浩前監督は、昨シーズン途中から采配や選手起用に対しサポーターから不興を買っていたが、掴みかけていた昇格を逃したことで、3年契約だったにも関わらず事実上の解任となった。
新監督に指名されたのは早川知伸監督。2021シーズン途中から当時J2の横浜FCで監督を務めたものの最下位に終わり退任した後、四方田修平監督の下でヘッドコーチを務め、2023シーズンから松本でコーチの任に就き、主に守備面の指導に携わった。新体制発表会で、ジェフユナイテッド千葉から移籍してきたDF小川大貴をはじめとする11人の新加入選手と共に挨拶した早川新監督は、J2昇格を誓った。
しかし、フロントもサポーターも未だにJ1を経験した反町康治元監督時代(2012-2019)を忘れられず、その幻影を追うあまり、監督を取っ替え引っ替えしながら迷走している印象だ。霜田前監督は日本サッカー協会の元強化委員長で、2022シーズン4位で昇格を逃し退任させた名波浩元監督は、今や日本代表のコーチだ。監督選び以前に、このクラブには大きな問題が潜んでいるのではないだろうか。