強いアルファオスにくっつくメスは先にも言ったように、高収入の旦那を持つ奥様にそっくりですし、自分の住環境にイライラして子供に手を上げるメスマウスも、実際に人間社会で子供を虐待する親たちを想起させます。
また家に居場所がなく、同じ境遇の仲間たちと身を寄せ合って路上でたむろする若者たちも、現に世界中にたくさん存在しています。
これらを踏まえると、人類は今「楽園実験」でいうところの第何フェーズにいるのでしょうか?
おそらく「フェーズ2:社会形成期」はとうに過ぎて、「フェーズ3:停滞期」に入ろうとしているところかと思われます。
世界全体の人口は未だ増加中ですが、日本などでは子供が増えずに高齢者がどんどん増えていっている状況で、明らかに停滞期に差し掛かっています。
広い地球でも人間にとって暮らしやすい場所は限定的です。今後、繁栄し過ぎた人類に待っているのはマウスと同じ「フェーズ4:終末期」の未来なのかもしれません。
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参考文献
The ‘mad egghead’ who built a mouse utopia
https://www.theguardian.com/science/2024/nov/21/the-mad-egghead-who-built-a-mouse-utopia-john-b-calhoun
ライター
大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。
編集者
ナゾロジー 編集部