3番目のCランクは「日和見タイプ」で、性格が非常に穏やかであり、戦いにはほとんど参加せず、他のマウスから攻撃されても反撃はしませんでした。
4番目のDランクは「ストーカータイプ」で、日和見タイプと同じく穏やかではありますが、気になる相手はしつこく追い回すストーカー気質を持っています。
そして最下位のEタンクは「引きこもりタイプ」で、他の誰が何をしていようと「ワレ関せず」で、常に自分の棲み家に引きこもっていました。
食事も他のマウスが寝ている隙にササッと済ましています。
マウスの間でもこれだけ人間のような多様な性格の違いが出るのは面白いですね。
それでオスの勝ち組に当たるカースト上位者はAとBで、かなり広いスペースを少数で独占していました。
オスの負け組にあたるカースト下位者はCDEで、楽園の主に中央スペースに密集し、ごった返した状態で暮らしていました。
他方で、メスのカーストはAとBの2つだけでした。
上位Aはアルファオスが築いたハーレムの一員であり、そのおかげで広い棲み家にゆったりと暮らしていました。
旦那が金持ちの奥様タイプとイメージするといいでしょう。
しかし下位BはC〜Eランクのオスのパートナーとなったメスたちであり、狭い場所で窮屈な暮らしを強いられていました。
こちらは団地住まいの母ちゃんタイプとひとまずイメージしておきましょう。
このように群れが誕生して、カースト制度が確立されるまでで315日が経過しており、カルフーンはこの期間を「フェーズ2:社会形成期」と名付けました。
しかし「楽園」が本当の意味で「地獄」に変わるのはここからです。
楽園が地獄に変わる「終末期」へ
社会が形成されてしばらくした後、楽園ではマウスの増加スピードが目に見えて遅くなっていました。
620匹になるまでには総数が倍増するのに約55日しかかかっていませんでしたが、その後は総数が倍増するまでに145日もかかるようになっていたのです。