この場合、2項の虚偽事項公表罪の適用に関して法解釈上の問題があることは、前述したとおりである。

本件で問題となっている稲村候補に関するデマ拡散行為の多くは、斎藤候補の応援・支援を目的とするものである。純粋に稲村候補の落選だけを目的とするものにしか2項の虚偽事項公表罪が適用できないとなると、処罰の対象はかなり限られたものとなる。この場合、既に受理されている稲村氏側からの告発は、アカウント凍結に関する偽計業務妨害罪の方が中心ということになるだろう。