その中で奇妙な病気がフォレ族の間に広がり始めます。
全身の筋肉が緩んで上手く立てなくなったり、体中が激しく震えて止まらなくなったり、何も口にすることができず、最終的には肺炎で死亡してしまうケースが急増したのです。
この謎の病気は現地で「体が震える」という意味から「クールー病」と呼ばれています。
研究者が詳しく調べたところ、その原因は死者の脳内に潜む「プリオン」という病原性物質にあることが判明しました。
プリオンは周囲の正常なタンパク質を病原性物質に変質させながら、脳を徐々に蝕んでいく恐ろしい物質です。
これが原因でクールー病が発生しており、実際に脳を食べていた女性により多くのクールー病が見られていました。
このように食人行為を日常化させる集団は、いつか必ず何らかの伝染病を引き起こし、破滅の道を歩んでいく運命にあるでしょう。
こうした科学的な理由から「人は人食べるべきではない」とはっきり断言できるのです。
全ての画像を見る
参考文献
Cannibalism: A health warning
https://www.medicalnewstoday.com/articles/311277
Is it really bad to eat people?
https://particle.scitech.org.au/health/food/is-it-really-bad-to-eat-people/
ライター
大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。
編集者
ナゾロジー 編集部