選手としても、元日本代表FW大久保嘉人(2021年引退)を擁し高校3冠(インターハイ・国体・全国高校サッカー)を果たした長崎県立国見高校を経て、専修大学に進んだもののJ入りは果たせず。JFLと九州リーグを行ったり来たりしていたホンダロックSC(現ミネベアミツミFC)での5シーズン(2005-2009)の実績しかない。
矢野将文社長はこの人事について「J1を目指すため」と説明したが、逆の見方をすれば「服部監督では無理」と言っているようなものだ。後任が新米監督だったことも含め、服部監督はプライドを大いに傷付けられたことだろう。すぐさま古巣のジュビロ磐田に請われ、ジュニアユースの監督に就いたことがせめてもの救いだ。
今治は、2017年のJFL昇格以来、毎年のように指揮官交代を繰り返しており、9シーズン目で倉石監督が10人目となる。2019シーズンもJFL3位でJ3昇格に導いた小野剛元監督を退任させ、スペイン人のリュイス・プラナグマ・ラモス監督(現エミレーツ・クラブ監督)を招聘している。
岡田オーナーと矢野社長が何を求めて倉石監督を抜擢したのかは不明のままだ。FWマルクス・ヴィニシウスの残留を成功させ、FC岐阜からFW藤岡浩介を獲得し、昨シーズンJ3得点王の2人を揃えた(ともに19得点)。この2人の決定力を生かした攻撃サッカーを志向するのだと思われる。
しかしチームが不調に陥ると、会長職にありながら、現場に口出ししていたという岡田オーナー。このクラブで監督を務めるということは、中間管理職的な能力を求められ、結果を出してもクビの恐怖と闘わなければならない。これはなかなか難しい仕事と言っていいだろう。
サガン鳥栖:小菊昭雄監督
期待度:★★★★☆
サガン鳥栖の小菊昭雄新監督は、兵庫県のサッカーの名門滝川第二高校出身だが、出場機会がほとんどないまま卒業し、愛知学院大学卒業を前にした1998年2月からセレッソ大阪下部組織のコーチにアルバイトとして指導者キャリアをスタートさせた異色の指揮官だ。