昨2024シーズン、19得点のエースFWジャーメイン良をサンフレッチェ広島に引き抜かれたにも関わらず、その穴を埋めるのが名古屋グランパスからの期限付き移籍で獲得したFW倍井謙と、アビスパ福岡から獲得したFW佐藤凌我、筑波大卒のルーキーのMF角昂志郎では心もとない。
藤田俊哉SD(スポーツダイレクター)は目標を「アクションフットボールを実現した上でのJ2優勝」としたが、新体制の顔触れを見ると、その仕事ぶりには物足りなさが残る。
昨シーズンのJ2を見ても、“反則級”と呼ばれるほどの選手層を誇らなければ、優勝はおろか昇格などおぼつかないことは明白だ。J1クラスの強烈な攻撃力を持つブラジル人選手を揃えたV・ファーレン長崎でさえも、プレーオフの末に敗れ去った。少々、J2を侮っている節が感じられる。
このままの体制では、エレベーターどころかJ2定着も現実になりかねない。ハッチンソン監督は優秀な指揮官だが、魔法使いではない。この陣容では監督が志向する攻撃サッカーを形にすることにも苦しむのではないだろうか。
FC今治:倉石圭二監督
期待度:★★☆☆☆
ついにJ2の舞台にまで上り詰めたFC今治。2012年に愛媛FCから独立する形で発足して四国リーグに参戦し、2014年に元日本代表監督の岡田武史氏がオーナーに就いてから11年が経った。昨2024シーズン、J3リーグ2位で初昇格に導いた功労者の服部年宏監督を退任させる驚きの人事を発表。新監督に就任したのは、V・ファーレン長崎のコーチを務めていた倉石圭二監督だ。
倉石監督は、生まれ故郷の宮崎日本大学高校で指導者キャリアをスタートさせ、当時JFLのテゲバジャーロ宮崎(2018-2020)での監督経験はあるものの、S級コーチライセンスを取得したのは横浜FCのコーチを務めていた2023年。当然ながら、Jクラブの監督は初めてとなる。実績らしい実績は、長崎のコーチとして昨シーズンJ2で3位に食い込み、プレーオフに進出(準決勝でベガルタ仙台に敗退)したことくらいだろうか。