勿論各社それぞれのチャレンジはしていて、特に車体のプラットフォームの設計ごとEV専用にしないとテスラやBYDには勝てない・・・みたいな話で地道にそういう専用設計を立ち上げて巻き返しを図ろうとしていたりする(これには4−5年とかかかるらしい)。

EV専業で突き抜けたテスラやBYDに現時点で生煮えにガチンコ勝負をしても分が悪いのは明らかで、そこでまっすぐ戦いを挑むことで業績が急激に悪化している欧州メーカーに比べると、ハイブリッドという強みを活かして「ガチンコ勝負」は避けた状態を維持して最高益を連発している日本企業の方がよほど良い状況にある。

テスラやBYDとガチンコ勝負をして利益が減ったら、EV化やその後の自動運転などへの投資もできなくなるわけなんで、現時点で日本メーカーが「ハイブリッドを利用して儲けまくる」事には大変意味がある。

そして、世界の「EV化への転換」が一年でも二年でも遅れたらそれだけ「残存者利得戦略」的に有利な場面は生まれるわけで、日本は長期的視野でEV用の専用設計などを詰めていくのはやりつつ、短期的にはEVでは勝負しない事に合理性は明らかにある。

このあたり、「EVなんか使いものになるかよバーカ!」っていう議論も、「日本企業はEV化に遅れてるからもう駄目だ」もどっちも間違ってるんですね。

こないだホンダの担当者の人がニュースで、

EV化の流れが”どういうスピードで進んだとしても”対応できる態勢を敷きながらシフトしていく

…と言っていたのがまさにそれで、

・テスラやBYDに対して勝ち目のない戦いを強いられている欧州メーカー ・製造ラインがフル稼働してることが前提の前のめりな積極投資を続けており、電気自動車の普及スピードが少し予測と外れる遅さになると結構財務的に厳しくなる可能性もあるテスラやBYD

…に比べると、現時点で日本企業が取りうる選択肢としては、「正解」の道を選んでいるとは言える。