運輸安全委員会の最終報告に向けて
前項では行政サイドである国土交通省における対策について述べたが、海上保安庁についても一定の対策が必要と考えられる。しかしながら現時点まで、海上保安庁からの本事故に対する見解や対策については、発表されていない。
警視庁は現在、事情聴取を行いつつ、業務上過失致死傷容疑を視野に捜査中である。このなかで海保機、JAL機、管制塔の3者の過失割合の特定を進めているものと見られる。このような環境下で、海保機の滑走路誤進入が第一の要因とみられる本事故について、海上保安庁が見解や対策について語らないことは、無理からぬことかもしれない。
本事故について、(1)警視庁が捜査中であること、(2)国交省の外局である海上保安庁と国交省の管制部という、いわば身内が調査の対象となっていることは、運輸安全員会に対して極度の慎重さを求める要素となっている。しかしながら、運輸安全委員会として、これらの要素にひるむことなく『事故調査は航空事故の責任追及ではなくあくまでも航空事故の原因究明とその防止にある』という原則に徹しつつ、最終報告に向けて毅然として周到な調査と分析が行われることを期待したい。
(協力=橋本安男/航空経営研究所主席研究員、元桜美林大学客員教授)
提供元・Business Journal
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