そのためバッタの被害にあった国や地域は、農作物を食べ尽くされることによる飢饉だけでなく、飼料がなくなった家畜まで失うことがあります。パリピなバッタは人々の飢餓や貧困まで引き起こす大迷惑な集団なのです。
2020年、アフリカで大災害を起こしたのはサバクトビバッタという種類です。これは高温多湿に強い性質があります。つまり、気候変動で気温が上がっても元気で生きていられます。ライバルの虫や天敵の数が減れば、サバクトビバッタはより増える可能性も指摘されています。
ここで2018年、2019年に起きたサイクロンを思い出してみましょう。この時、砂漠に植物が増えた結果、バッタが大繁殖することになりました。
もしも今後の異常気象で同じような天候が起きて乾燥した砂漠が大雨になり、結果としてバッタの好む植物が多く育つとしたら、その翌年には大繁殖で再び群生化したバッタが災害を起こすと予想できるのではないでしょうか。
孤独でぼっち好きなバッタがパリピに豹変する理由のひとつに、異常気象があると言ってもいいかもしれません。バッタの発生予測には気象をチェックすることも重要です。
普段は乾燥した砂漠に異常気象で雨がたくさん降ると、バッタの餌になる植物が多く育ち、バッタが大繁殖の結果パリピ化。群生相に育てば、お腹を空かせ、羽根を広げて群れで飛び立っていき、各地に被害をもたらしてしまうからです。
群生相となったバッタを防除するには、歩いて移動するしかない幼虫の時期に殺虫剤を使用するのが有効とされています。
殺虫剤を使うと耐性を持つバッタが出るのでは?という疑問がありますが、サバクトビバッタの場合は長距離を移動しているため、薬剤耐性をもった個体同士が交尾、繁殖する機会は低く、薬剤抵抗性は発達しにくいと考えられています。