元はおとなしい昆虫、バッタ。バッタは基本的にぼっち生活で本人(本虫?)もそれで満足しているのですが、ある条件が加わると性格が何故か突然パリピになり、大集団で迷惑をかけまくる虫に豹変します。
すべてのバッタがそうなるわけではありません。でも日本に住むバッタの中にも豹変するタイプが存在するので、対岸の火事というわけでもないのです。よく知られたトノサマバッタがそれです。
大集団になったバッタは農作物を食い尽くしながら移動していくので、昔から「蝗害(こうがい)」「神の罰」などと称される大災害でした。
では、大集団と化したバッタがどんな被害を起こしてきたのか、どうやって防いだらよいのか。アフリカでバッタに立ち向かっている一人の日本人研究者についても見ていきましょう。
目次
- 世界の「蝗害」の歴史
- ぼっち好きだったバッタがパリピに豹変する理由
世界の「蝗害」の歴史
パリピと化したバッタの大集団が大挙してやってきて農作物を食い尽くしてしまうことを「蝗害」と呼んでいます。一度やってくると防ぎようがなく、丸坊主になっていく作物を見ているしかない状態は、飢饉も引き起こすような大災害として、発生した国々で記録されてきました。
古くから文明が栄えた中国でも多くの記録が残されています。
殷の時代、甲骨文に記されたものがあるほか、漢の時代になると書物に細かく記されるようになりました。その後の南北朝から元、明にかけては、干ばつのあとでバッタが大発生したという泣き面に蜂のような記録も見られます。
清代になると記録が増えるうえ記述が細かくなり、農作物がバッタに食べられてしまった結果、人々の生活がどうなったかについても記述が具体的になり「蝗害の後、妻に売春させる男が増えた」というものまであります。