発電に限っていえば、火力発電の持つパワーと効率の良さは無視することができません。
カーボンニュートラル(脱炭素)実現のため注目されているのが太陽光発電ですが、太陽光発電は、発電した電気を蓄電する必要があります。天候により発電量が安定しないため、いったん蓄電する必要があるのです。
そのため、発電と蓄電両方の設備が必要です。さらに、蓄電池は寿命が10年から15年程度のため、寿命が来る前に取り換える必要があります。つまり、設置スペースとコストがかかる発電方法なのです。ここを乗り越えるための研究が進んでいます。
水力発電については、大型のダム建設ができる場所は限られており、既に日本中に多くのダムが造られていることから、今以上に多くのダムを作るのは難しい現状があります。また、降水量などの関係で常時安定した発電ができないこともあります。これは小水力発電の増加が検討されています。
風力発電は設備がまだ多くなく、原子力発電は廃棄物の問題がまだ残っています。そこで火力発電に頼らざるを得ないのが現在の日本の状況というわけです。
火力発電は燃料を燃やし、その熱で発生させた水蒸気でタービンを回して発電します。天候に左右されず、その時に必要な分だけ発電することができるのです。
ここで問題になってくるのが地球温暖化を食い止めるためのカーボンニュートラルです。また、天然資源であるため、使っていればいつかは使い尽くしてなくなってしまう運命でもあります。
そんな中、優秀なのが天然ガスというわけです。
天然ガスはどのぐらい環境に優しいかというと、燃やした時に出る二酸化炭素の量は石炭を100とすると天然ガスは60。石炭を使っていた発電を天然ガスに変えると40%の二酸化炭素排出量削減になるということになります。
窒素酸化物の場合、石炭を100とすると天然ガスは40。何と60%の削減になります。硫黄酸化物に関しては石炭を100とした場合、天然ガスは何と0。