天然ガスは二酸化炭素や窒素酸化物の排出量が少な目で、化石燃料の中ではよりクリーンなエネルギーといえるでしょう。

石炭を燃やした場合と天然ガスを燃やした場合の二酸化炭素量などの比較
石炭を燃やした場合と天然ガスを燃やした場合の二酸化炭素量などの比較 / credit: ナゾロジー編集部

さらに天然ガスは軽いうえ、マイナス162℃で液体になり、体積は600分の1になり、LNG(液化天然ガス/Liquefied Natural Gas)と呼ばれます。これは輸送や貯蔵の上での大きなメリットがあります。

大陸ではパイプラインで輸出入をされることも多い天然ガスですが、島国である日本では天然ガスはLNGとして海上輸送をしています。

原油のほとんどを中東からの輸入に依存している日本ですが、天然ガスはオーストラリアや東南アジアでも産出されるため、原油よりは輸入する地域に依存するリスクを避けることができます

それでも二酸化炭素を排出するため、できるだけ二酸化炭素排出量を抑える研究も進められ、発電所に生かされています。

天然ガスはマイナス162℃で液体になり、体積は600分の1になるため海上輸送が可能
天然ガスはマイナス162℃で液体になり、体積は600分の1になるため海上輸送が可能 / credit: Wikimedia Commons

化石燃料である天然ガスは使い続けている限り、いつかは枯渇してしまいます。では、長期間使い続けているはずの天然ガスは、なぜ未だ有望なエネルギーとして使われ続けているのでしょうか。

実は、天然ガスは新たな鉱脈の発見で数字の上では埋蔵量は減るどころか増えている現状があります。

天然ガスは「地獄の門」のようにメタンが気体として沸き上がってくるだけではなく、シェールという鉱物の層に閉じ込められたシェールガス、砂岩などに貯まっているタイトサンドガス、石炭層に含まれるコールベッドメタン、メタンの周囲を水の分子が囲み、別名「燃える氷」と呼ばれることもあるメタンハイドレートなど、いくつかの形があります。

この鉱脈が新たに発見されることで天然ガスの埋蔵量はこれまでの消費量を超えて増えているということなのです。