トルクメニスタンの「地獄の門」のガス推定埋蔵量は未だ不明です。そのため、「地獄の門」がいつ閉じるのかは誰にもわかりません。

この炎を消し、天然ガスを無駄遣いしないため「地獄の門」の近くから天然ガスを採取できないか試験を行ったという情報もあり、現に、燃え上がる炎が最近では小さくなったという話も聞かれます。

採掘できれば国民のための資源、また外貨獲得のため役にたった大量の天然ガス。採取できれば比較的クリーンなエネルギーとなったはずでした。

しかし、難しかったようです。採取する前に炎を上げ、いつ閉じるともわからない「地獄の門」と化してしまったクレーターは、このまま燃やしておくほうがいいという結論が出されています。

なぜなら、仮に「地獄の門」を閉じても、そのガスは別の場所から地上に出てくると言われているからです。

メタンは燃やした時に出るCo2よりも、メタンそのままのほうが温室効果の高いことがわかっています。

つまり、地球温暖化防止対策としては、メタンが漏れ出てくるぐらいなら二酸化炭素が出ても燃やしたほうがマシということなのでした。

燃やさなければ地球温暖化を進めるメタンは他のどこかから漏れ出てくる……「地獄の門」は意外と環境問題の役に立っているとも言えるのでした。

「地獄の門」のラスボスはメタン。これをゲート内で討伐することは不可能で、ゲートの外へ引きずり出すことも成功しませんでした。対策はただ燃やしておくだけという残念な対応で、これは一体いつまで続くのか。

答えは誰にもわからないまま、「地獄の門」は現在も炎を上げ続けています。

地獄の門の炎は以前より小さくなったといわれる
地獄の門の炎は以前より小さくなったといわれる / credit: Wikimedia Commons

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参考文献

知っておきたい天然ガスの基礎知識
https://www.jogmec.go.jp/publish/plus_vol04.html

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