まだ26歳の食野だが、一部サポーターからは「早熟」や「もう終わった選手」という評価も下され始めている。早すぎた欧州移籍がキャリアを狂わせてしまった格好だが、同じく若くして欧州に移籍(バイエルン・ミュンヘン、ホッフェンハイム、アウクスブルク、デュッセルドルフ)し、挫折も味わった先輩、FW宇佐美貴史のように復活するのか、期待して待ちたい。
山口蛍(V・ファーレン長崎)
移籍元:セレッソ大阪(2009-2015)
移籍先:ハノーファー(2016)
たった半年で帰国を余儀なくされた屈辱
今2024シーズン、ヴィッセル神戸の主力としてJ1リーグ連覇に貢献したにも関わらず、J2のV・ファーレン長崎への移籍を決断するという驚きのニュースを提供したMF山口蛍。
セレッソ大阪の下部組織出身で、2009シーズンにトップチームに昇格すると、徐々に出場時間を増やし、2012シーズンにはレギュラーポジションを獲得。2013年には日本代表に初選出される。2014シーズン、チームはJ1で17位に終わり、J2に降格。その中でもC大阪に残留したことで、サポーターからは“ワンクラブマン”になるものと期待されていた。
翌2015シーズンにJ1昇格を逃し、2シーズン連続でJ2を戦っていた2016シーズン途中、既にMF清武弘嗣(現セビージャ)やDF酒井宏樹(現オークランド)が所属していたブンデスリーガのハノーファーから完全移籍のオファ―が届き、移籍金100万ユーロ(約1億2,000万円)で欧州移籍を果たす。
しかし待っていたのは、そのポリバレントさによる“器用貧乏”的な起用法だった。ボランチが本職の山口に対し、トーマス・シャーフ監督が与えたポジションは右サイドハーフ。不慣れなタスクを強いられた上、前半33分で交代という屈辱的な扱いを受けることもあった。