16~19世紀にかけては、それが北アメリカ大陸での先住民絶滅戦争に変わりました。たとえば、メキシコのアステカ帝国を滅ぼしたことについても、何ひとつ罪悪感を感じることなく、次のように正当化できるのです。
もちろん、8万4000人という数字にはなんの根拠もありません。スペイン人コンキスタドール(征服者)たちが、なるべく罪の意識を感じないで済ませたいと願っていることを忖度して、生き残ったアステカ人が目いっぱい大げさな数字を言ってみただけでしょう。
そして今、すさみ切ったアメリカの世相の中ではばかることなく「奴らは悪魔の手先か、劣等動物だから皆殺しにしていい」といった心情をぶちまけることができるのが、イスラエルによるパレスチナ人ジェノサイドなのです。
そうとでも考えなければ、もうとっくの昔に抑圧者の側から被抑圧者に立場が変わっているアメリカのプアホワイトまでもが、圧倒的な多数でイスラエルによるパレスチナ人虐殺を支持するはずがありません。
こうして見てくると、今年の大統領選で圧勝したトランプが2期目の国防長官候補として選んだのが次の2枚組写真でおわかりいただけるとおりの露出狂のマッチョ野郎、ピート・ヘグセスだったことには、かなり深刻な意味があります。
力コブをつくったときより大きくくっきり見えるように彫りこまれた刺青、デウス・ウルトこそ異教徒・異端者は皆殺しにすることこそ正義なのだという、この男の信仰告白なのです。
なお、もうひとつの重要閣僚ポストである司法長官に指名するはずだったマット・ゲーツについては、まだ指名を公式に発表する前に「自発的に降りた」ことになっています。
これは、彼が極右であるにもかかわらず、数あるイスラエルロビーの中でも最有力のAIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)からまったく献金を受けていないので、イスラエルロビーから、「あいつは古典的な(つまりユダヤ人は白人のうちに入れてくれない)白人至上主義者ではないのか」という横やりが入ったからのようです。
古典的な白人至上主義まで復活した