③母を殺した機械化人伯爵をこの手で成敗したい、この夢を果たそうと鉄郎は、母殺しの罪人・機械伯爵の行方を捜す。彼の旅は、この行方探しが軸になる。

物語もスター・ウォーズ風に再創造

土星の衛星タイタンで下車すると、冒険の末に山賊アンタレスが味方になってくれる。伯爵の行方を知っているのは山賊の自分ではなく女海賊のあいつだと彼は鉄郎に告げる。999が太陽系を離れ、宇宙の外洋に出ると、女海賊の船が999とニアミスする。その船に鉄郎はわざと発砲する。怒った彼女は999に乗り込んでくる。それをチャンスに、彼女に事情を話す。その度胸を気に入ったのか、機械伯爵のいる星を彼女は鉄郎に教える。

その星に999が着くと、今度は酒場のマスター(ゴシップの生き字引と劇中で自己紹介する)から「あいつなら知っている」と教わって、鉄郎はその人物に会いに荒野をバイクで暴走。

伯爵の居場所を教えるのと入れ替わりにこの人物は死去。その魂が、とある宇宙海賊の船の電子頭脳に飛びこむ。この二人は無二の親友で、この縁から海賊ハーロックが鉄郎の味方になってくれる。

④宇宙を舞台に自由になりたい、宇宙海賊たちのように という鉄郎のヒーローそのひとだ。彼が問いかける。「ゆくのか、どうしても」 母の敵討ちのことだ。

後半は東映任侠映画

③母を殺した機械化人伯爵をこの手で成敗したい… この目的をその後鉄郎が果たすと、再び海賊ハーロックが問い掛ける。「これでお前の目的は果たしたことになるな」 すると鉄郎は言い返す。もっと上の目的が今の自分にはある、と。終着駅まで行って、こんな悲劇の源となっている帝国の中枢を、できれば自分の手で破壊してしまいたいと。

④機械化人になって永遠の命を得たい! という出発前の最終的な夢がこのとき放棄される。入れ替わりに ①機械化人(物語世界においては支配階級と同義)が憎い、が再浮上する。これを果たすために、銀河鉄道の旅を自分は続けるぞと宣言するのだ。