ー二重国籍を認めている国とは違い、日本人が国籍を変えることは、なかなかハードルが高いと思いますが、決めるまでに葛藤はありましたか?
水野:正直、僕はそこまで悩んだりというのはなかったです。一生に一度の経験でしょうし、誰もが経験できるわけでもない。これだけ長くカンボジアに住まわせてもらって、何かの形でカンボジアに恩返しじゃないですけど、貢献したい気持ちが強かったです。
ー今大会のカンボジア代表には水野選手を含めて、小川雄大選手(元FC岐阜)、大瀬貴己選手(元HBO東京)と計3人の日系帰化選手が招集されていますが、現チームには何人の帰化選手がいるのでしょうか?
水野:全部で6人ですね。日系3人と、あとはコロンビア、コートジボワール、南アフリカからの帰化選手です。
ーインドネシアやフィリピンをはじめ、自国にルーツを持つヘリテイジ型の帰化戦略で代表チームを強化している東南アジアの国は多いですが、カンボジアサッカー協会の帰化戦略に対するスタンスは?
水野:協会も前向きに考えていると思います。ただ増えすぎると、カンボジア国民からの心象としては、あまり良くないのかなとも思います。やっぱり純粋なカンボジア人選手のプレーする機会を奪ってしまうことになるので、そのバランスは難しいと思います。ヘリテイジ型で言うと、カンボジアにルーツを持つ選手を発掘して、代表で練習参加させてみるという動きは出てきています。実際、アメリカ人とのハーフの選手(FWニック・テイラー)なんかも呼ばれています。
ー日系帰化選手は今後も増えると思いますか?
水野:そうですね。結構長くプレーしている選手もいるので…協会の判断にもよると思いますけど、今後も出てくる可能性はありますね。
本田圭佑GM時代のカンボジア代表
ーカンボジア代表で日本人ファンが思い出すのは、2018~2023年に実質的監督を務めた本田圭佑GM時代です。カンボジアでプレーする日本人選手として、当時のカンボジア代表をどう見ていましたか?