保守派のインテリの若い世代に有望な人がいないのかというと、例えば中島岳志氏のこの本とかすごい良かったけど、彼はウィルやハナダに出るようなタイプの論客にはならなかったし。

なんかこう、つまりオールドタイプの「左派」っていうのも崩壊寸前だし、それに対する「右派論客」っていうのもなんか、どんどん「右翼雑誌で過激な事を言うライターさん」みたいな人しかいなくなってきてしまっている。

4. 「親米保守・アベノミクス型経済路線」が緩やかに役割を終えていく流れがある

一方で、安倍政権時代というのは、そういう「思想的党派対立」を基調とした上で、それとはまた別に、「経済」「安全保障」の両面における現実的な課題を解くために必要とされていたわけですよね。

アベノミクス的に「とにかくみんなに職を配る」事情とか、あと米中対立時代になっていくに向かって東アジアの軍事的均衡を維持して戦争を避けるための日米同盟強化という「実用上の必要性」で支持されていた面も大きい。

でもこの「経済」「安全保障」の2つの状況が、過去10年とこれから10年20年ではまた大きく変わってくるんですよね。

一個後の記事に書きますけど、「需要不足が深刻で必死に人々に職を与えようと頑張って」いたアベノミクス期と、一方でこれからは人手不足が深刻で、供給サイドの効率化さえやってれば需要は満たしきれないほど自然に存在する経済・・・という「大きな変化」がある。

(書きました↓この記事と対になってる感じなのでぜひそちらもお読みください)