私は明確に、たとえ「偽善」であっても、綺麗ごとが通じる時代を好むので、何とも最近の傾向はやるせない。それでも生きていくしかないと透徹した感じで社会を眺めているが、ただ傍観するだけでなく、偽善の大事さも訴えられないか、とも思っている。このエッセイも、そんな蟷螂之斧的、ごまめの歯ぎしり的所作である。
昨今ますます過激化するネット全盛の現代にあっても、夏目漱石が喝破したように、きっといずれは、「露悪家たちの露悪家たちに対する争い」の激化によって、偽善的ルールに委ねようというタイミングが来るのだとは思う。
ただ、ずっと待っていられるものでもない。民主主義も資本主義も偽善に満ちてはいるが、露悪家の無秩序さよりはマシだと心から思い、11月15日に青山社中設立14周年を迎えたところであるが、何か出来ないかと模索している。