結果によれば、最も評価が提出タイミングは締め切り日の朝でした。
一方で1時間遅れ、6時間遅れ、12時間遅れ、1日遅れ、1週間遅れの評価はどれも悲惨なものになっていました。
注目すべきは、僅かな遅れであってもそれが致命的に働くという点でしょう。
繰り返しますが、提出された仕事の質はどれも全く同等です。
研究者たちがこの現象を分析したところ、起源を守らなかったことが仕事に対する誠実さに疑問を抱かせ、それがさらに仕事の質の評価に悪影響を及ぼしたと述べています。
また研究では、さらに良くない事実が明らかになりました。
一般に、仕事が期限内に終わらないことを事前に知らせることは、黙って期限を破るよりも幾分かはマシと見なされます。
責任ある社会人として、約束を意識していることを伝達したり進捗の報告をしておくことは重要とされるからです。
しかし研究者たちが分析したところ、締め切りを破ることを事前に通達していたとしても、悪影響は軽減しないことが判明したのです。
また締め切りを破る悪影響は、上司などの評価者だけに留まりませんでした。
東アジアの小学生に互いの作品を評価するように依頼した研究では、提出期限に送れた作品は低い順位にランクされる傾向にあることが示されています。
このことは、締め切りを破ることでの能力や誠実さ、仕事の質への疑いが同輩関係にも起こることを示しています。
もし今ある仕事の締め切りを破りそうならば、なんとしても頑張って期限内に収める努力をしたほうがいいでしょう。
しかしここで注目すべきは期限超過による質の低評価は、ある意味で「幻」という点にあります。
人間は締切日という概念によって、同じ質の仕事に色眼鏡をかけてしまうのです。
そしてこのような認知の歪みは、ときに負の影響を与えることがあります。