金融業界のエスタブリッシュメントからは徹底的に無視されていますが、エヌヴィディアなどの不正会計を白日のもとに曝そうと追及しつづけている人たちもいます。その中で4つのアカウントをご紹介します。
まず、ゴールドマン・サックスでエリートコースを歩んでいたのに袂を分かってBCA投資顧問の主任グローバル・ストラテジストをしているPeter Berezinさんです。次の2段組グラフをご覧ください。
上段では、S&P500組み入れ銘柄の12か月後の予想1株利益は直近12カ月の実績よりずっといいし、いつまで経っても実績のほうが予想にサヤ寄せして上昇率が高まる気配はない。さらに実績だって、ふつうの企業が採用している手堅い会計基準で見ればほとんど横ばい。
真正面から不正会計とは言わずに「これはどこかおかしいんじゃないですか」とやんわり疑問を投げかけます。
そして、下段ではS&P500の中でもとくに好調なはずの情報・ハイテク部門の1株利益はたしかにかなり上がっているけれども、その割にフリーキャッシュフローは上がっていません。この差は架空計上の利益ではないでしょうかというわけです。
さらに次の2段組グラフで追い討ちをかけます。
みなさん「S&P500もいつまでもマグニフィセント7頼りではなく、もうすぐすそ野が広がります」とおっしゃいますが、その兆候はまったくありませんね。だがらS&P500もそろそろ天井打ちして、4割近い暴落がやってくるんじゃないですかというわけです。
だれでも手に入るデータを使って、まったく論理的に無理なく、しかも直接不正会計を糾弾するでもなく、結論としてはかなり大胆なところまで踏み込んでいます。手堅いデータ分析から大胆な予想を紡ぎ出す、株式アナリストの理想の姿のひとつだと思います。
あとの3人はもっと正面から不正会計問題に取り組んでいます。まずKashyap Sriramさんです。この人が作成するグラフはほんとうに説得力があります。