短期的な利上げタイミングをより気にすべきは為替市場であるが、こちらは今のところ米金利次第の値動きとなっており、日銀は引続き脇役である。
ドル円相場については下値を新NISAなどの海外投資フローが支えるとしてきたし、既に下がっているところで日銀が利上げで追撃的にクラッシュさせるシナリオは引続き想定していない。しかし今の水準では「円安が進行した後に”為替介入としての利上げ”が上値を抑える」局面に既に差し掛かっているように見える。
12月FOMCの25bp利下げと日銀の25bp利上げがどちらも半々の織込みなので取り掛かりづらいが、仮に両方実現するなら日米短期金利差は一気に50bp縮小する。
12月会合が近付くにつれ、12月利上げに向けた具体的なヘッドラインが飛び始める可能性に留意すべきだろう。なかったとしても1月にずれ込むだけである。
要約
円安が進行する中、日銀12月利上げ織込みが静かに進みつつある・10月会合は9月会合よりタカ的に転換(時間的余裕の消滅)
半年に1回程度の利上げペースはどんな時も崩れていない
12月利上げがなければ1月利上げ、どちらになっても深読み不要
利上げはもはや政策変更ではないので展望レポート月に揃える必要ない
金融市場(株式市場)次第という内田プットもまだ生きている
中立為替説は徐々にメインストリームに
爆誕したトランプ政権の関税政策は利上げ挫折要因に
長期金利は1%に近付く、大幅に上回る可能性は引続き見込まず
会合が近付くにつれ「リーク円高」に注意する時間帯
編集部より:この記事は、個人投資家Shen氏のブログ「炭鉱のカナリア、炭鉱の龍」2024年11月27日の記事を転載させていただきました。