その直後の11月、同じく女子のINAC神戸レオネッサの監督に就任。後に2011年のドイツ女子W杯を制したなでしこジャパンの主将としてバロンドーラ―(FIFA世界最優秀選手)となるMF澤穂希やFW川澄奈穂美、FW大野忍などを擁し、なでしこリーグと皇后杯の2年連続2冠を達成し、黄金時代をもたらす。

INAC神戸の監督を勇退した後は、イングランド、ポーランド、スロベニア、ラトビアで監督やコーチを務めた。帰国後ポゼッションを重視する手腕が買われ、2022シーズンからY.S.C.C.横浜の監督に就任。2023シーズン途中で解任されるが、2024シーズン盛岡で、中三川哲治監督、神野卓哉監督と2度の監督更迭の末、8月に指揮官に指名された。

しかし、第13節以降一度も最下位脱出がならないまま、第37節奈良クラブ戦での敗戦(1-2)でJFL降格が決まってしまった盛岡。GK大久保択生やDF西大伍、MF水野晃樹、FW都倉賢といったJ1経験のあるベテランも多く在籍していたが、就任当時すでに崩壊状態にあったチームを救うことはできなかった。

その手腕を発揮する間もないままシーズンが終わってしまった感があり、続投というフロントの決断にも納得はできる。しかしながら、毎日のように選手の契約満了のニュースが発信されている現状を見ると、来季2位以上を目指すことになるJFLを戦えるだけの戦力を揃えることができるのか。クラブの顔だったオーナー兼社長の秋田豊氏が退任することが決まっている中、フロントの底力が問われている。


寺田周平監督 写真:Getty Images

福島ユナイテッド:寺田周平監督

評価:★★★★☆/続投可能性:100%

11月17日、ホームでのアスルクラロ沼津戦(とうほう・みんなのスタジアム)を2-1で制し、J2昇格プレーオフ進出をほぼ確定させた翌日の18日、寺田周平監督の続投を発表した福島ユナイテッド。