チーム人件費はJ3最低レベルとあって、現実的な目標がJ3残留にあることは明らかだ。米山監督の続投も、将来的なJ2昇格を見据えたものではないだろう。チームのトップスコアラーが36歳のベテランMF川西翔太(5ゴール)である事実がそれを証明している。
来季から使用する「甲冑」をコンセプトとした新デザインのユニフォームがお披露目されたが、上位進出のためには、レンタル加入を含めて若い才能を発掘していく必要がありそうだ。
FC今治:服部年宏監督
評価:★★★★★/続投可能性:90%
服部年宏監督は、2022-2023シーズンにJ3福島ユナイテッドで監督を務めたものの、1年目11位、2年目15位と、お世辞にも成功とは言い難い成績に終わった。しかし今2024シーズンは、2度にわたって日本代表を率いて2度のW杯を経験した岡田武史オーナーの下、FC今治の監督として捲土重来を期して臨み、就任1年目でJ2昇格という大仕事を成し遂げた。
開幕4連勝後に2連敗2連続引き分け、第11節大宮アルディージャ戦から第14節福島ユナイテッド戦まで4連敗と序盤戦は安定しない戦いが続いたが、夏場に一気に調子を上げ、第17節SC相模原戦から第28節松本山雅戦まで12戦負けなし(9勝3引き分け)。第28節に首位に立った後はその座を守り続け、カターレ富山の急追を凌ぎ切り、2014年に岡田氏がオーナーに就任して10年で悲願のJ2昇格を果たした。
監督業を始めた福島時代は理想と現実の狭間で苦しんでいる印象だったが、今治では19ゴールを決め得点王を獲得したブラジル人FWマルクス・ヴィニシウスの決定力を最大限に生かしたサッカーで他を圧倒。それなりの“駒”を与えれば結果を出す指揮官であることを自ら証明し、福島時代の汚名をそそいでみせた。